<巻名> 薫物合わせの夜の酒宴の場で、内大臣の子息弁少将が催馬楽の「梅枝」を謡ったことによる。 <本文> 御裳着のことおぼしいそぐ御心おきて、世の常ならず。春宮も同じ二月に、御冠のことあるべければ、やがて御参りもうち続くべきにや。 <現代語訳> 明石の姫君の御裳着の儀式をお支度なさる源氏の大臣のお心づかいは、並一通りのものではない。東宮も同じ二月に御元服の儀があるはずなので、それに引き続いて姫君の御入内ということになるのであろう。 <評>