浮 舟
うきふね



<巻名>







<本文>

 宮、なほかのほのかなりしゆふべをおぼし忘るる世なし。ことことしきほどにはあるまじげなりしを、人柄のまめやかにをかしうもありしかな、といとあだなる御心は、口惜しくてやみにしこと、とねたうおぼさるるままに、女君をも、「かうはかなきことゆゑ、あながちに、かかる筋のもの憎みし給ひけり。

<現代語訳>






<評>