橋 姫
はしひめ



<巻名>







<本文>

 そのころ、世にかずまへられ給はぬ古宮おはしけり。母方などもやむごとなくものし給ひて、筋ことなるべきおぼえなどおはしけるを、時うつりて、世の中にはしたなめられ給ひけるまぎれに、なかなかいとなごりなく、御後見などももの恨めしき心々にて、かたがたにつけて世をそむき去りつつ、おほやけ私によりどころなく、さし放たれ給へるやうなり。

<現代語訳>






<評>