塔ノ岳17 とうのだけ  

257 2016/3/17(木) 塔ノ岳 1,491




一昨日まで続いた寒さも一転、昨日から4月の陽気に変わる。今日は絶好の登山日和なるも、一抹の不安がよぎる。体調を崩して2ヶ月振りの山行だが、はたして歩き通せるだろうか。よく晴れた朝、塔ノ岳に登る。満開のコブシの花咲く秦野戸川公園を後に大倉尾根に向かう。山神社との分岐から桧林の中、コンクリート舗装の登山道を上る。舗装されたのは数年前に催された植樹祭の一環なのだろう。舗装路が終って観音茶屋、そこに広いベンチと瀟洒な山岳トイレがある。

山岳トイレとは、<土壌処理方式により、微生物の力でし尿を分解する。流した水は浄化し便器洗浄水として再利用される> 約束事として、<山岳トイレ使用の3つのルール 1.便器内に紙等のゴミを投入しない浄化システムの機能不全を起こす引き金になる。 2.水流しは1回だけ貯水は限られる。 3.維持管理に費用が必要> 湿った山道をじぐざぐに上ると大倉高原山の家への分岐がある。どちらもいずれ合流するが、水場のある山の家経由は些か距離が長い。

ベンチがある雑事場平から、大倉尾根では数少ない平坦な尾根道を行く。歩き始めて1時間、数年前にリニューアルした見晴茶屋を通過する。本屋の隣にトイレ棟を建設中。掲示場板には<登山者と力を合わせて山を守っています。多くの登山者が訪れる大倉尾根。過剰利用により荒廃した自然を取り戻す取組みが実を結んでいます。雨水が流れて道が掘れるのを防ぐ水切り・踏まれて植物が消えた個所に、ボランティアが植樹し植生の回復チップで支えられる山岳トイレ>

塔ノ岳山頂、尊仏山荘 山頂から見る富士山


見晴茶屋からは変化に富んだ登山道を上る。ガレ場の急登を上りきると傾斜が緩んで木道、傍らには植樹されたモミジ。一本松を過ぎ、ガレ場を上る。ベンチが置かれた平坦地から桧林の中、土止めの丸木階段を上る。好展望の駒止茶屋。ベンチに腰かけてひと休み。三ノ塔、烏尾山、行者ヶ岳、新大日と続く表尾根の展望台。景観を眺めながら、緩やかに堀山の巻き道を行く。左手に鍋割山、伊勢沢ノ頭の稜線から冠雪の富士山が姿を現す。木道を下り、上り返して小草平。

二俣へ下る分岐がある。立札には<ここから二俣へ抜ける道は道迷い等の遭難事故が多発しているため危険です> 小草平には堀山の家、<コーヒー、ジュース、お茶、おやつ、どれでも¥100だとさ。小草平から花立まで、うんざりするような長い丸木の階段が続く。まずガレ場。<崩落箇所につき足元注意>を通り過ぎ、岩塊を攀じ上れば松の木越しに白く輝く富士山を見る。標高は1,000mを越える。路傍に残雪が現れ、雪解けのどろんこにまみれて辛い階段を上る。

塔ノ岳から見る右から不動ノ峰、棚沢ノ頭、蛭ヶ岳、ミカゲ沢の頭、臼ヶ岳、桧洞丸


戸沢分岐のすぐ上が天神平。ガレ場を越えたあたりから、花立へ上る耐え難い階段上りを強いられる。裸地化が進んだ急斜面。礫が埋め込まれた歩き難い階段。やっと花立。花立山荘の前庭から眺めると、疲れを忘れるほどの展望が広がる。南に霞んだ相模湾に突き出る真鶴峠、箱根連山の神山、金時山。愛鷹連峰、富士山。東に大山、新大日。山荘脇にも山岳トイレがある。花立からは雪道。重い腰を上げてシャーベット状の雪を踏みしめて上る。前方に塔ノ岳が見える。

丹沢主稜の峰々を眺めながら木道を歩く。塔ノ岳の左に不動ノ峰、棚沢ノ頭、蛭ヶ岳。臼ヶ岳、桧洞丸。やせた尾根道は馬ノ背、崩落地点を木段で下り、上り返すと金冷ノ頭、鍋割山分岐。ここからは圧雪の階段を上る。登頂、塔ノ岳。ウィークデイに拘わらず右往左往する数十名のハイカー。微風、雲ひとつない晴天、一日中富士山の見える日。富士山と桧洞丸の間に、遠く南アルプスが見える。塩見岳、北岳。桧洞丸と蛭ヶ岳の間に、遠く八ヶ岳、奥秩父の山、金峰山、甲武信岳。

圧雪の階段下り。アイゼンを履かなくとも、下りは怖いが上りよりも足早に歩ける。だがこのまま、圧雪やシャーベット、ぬかるみ続きの階段を降りるのは嫌だ。時間がかかってもいい、小丸尾根を下ろう。金冷ノ頭で大倉尾根と別れて鍋割山稜に入る。思いのほか凹凸があって歩き難い。小丸尾根は積雪こそないが雪解け水と一緒に下る滑りやすい黒土の下り。草地とアセビのじぐざぐ坂から松林に入ると傾斜は緩む。退屈な西山林道。それにつけても疲労困憊してゴールイン。


快晴 単独行 歩行距離=15km 歩行時間=8時間15

小田急線、渋沢駅北口716⇒(神奈川中央交通)⇒725大倉
大倉730820雑事場平825910駒止茶屋915940小草平9501015戸沢分岐10201050花立11001125金冷ノ頭→1155塔ノ岳12151240金冷ノ頭→1315小丸→1525二俣15351650大倉
大倉1652⇒(神奈川中央交通)⇒1710渋沢駅北口