奥入瀬渓流おいらせけいりゅう

236 2013/7/2(火) 奥入瀬渓流 401




酸ガ湯(すがゆ)温泉 三乱(さみだれ)の流れ 馬門(まかどいわ)岩 飛金(とびがね)の流れ 双白髪(ともしらが)の滝 子ノ口(ねのくち)


高田大岳登山を明日に控えて、どこか手軽に登れる山はないかしら。そうだ奥入瀬渓流へ行こうって次第。十和田湖から流れ出る唯一の川が奥入瀬川だそうだ。蔦川と合流する焼山から子ノ口まで14km。標高差200mといっても、緩やかに5時間の歩き。横浜を発って、その日のうちに全行程は歩き通せない。そこで馬門岩から銚子大滝へ、渓流を遡る計画。全行程の半分の距離にも満たないが、奥入瀬渓流の見所を網羅する。新緑の候よし、紅葉の候またよしの景勝地。

JRバスはひた走る。萱野茶屋で降りだした雨は笠松峠で豪雨となり、蔦温泉で小憩をとる頃には雨は止む。ほぼ満席だったバスはロープウェイ駅と酸ガ湯温泉で乗客があらかた降りる。焼山から子ノ口までは十和田おいらせライン、またの名は瀑布街道という。車窓から見下ろす三乱の流れ。飛沫を上げて岩をも砕く激流。観光客が右往左往する石ヶ戸を通過する。馬門岩でバスを降りる。やっと乗り物の長旅から解放される。見上げれば屏風のような柱状節理の絶壁が聳える。

阿修羅の流れ 雲井の滝


絶壁の両岸に挟まれて流れる奥入瀬渓流。奥に入るほどに瀬が多くなることから奥入瀬と名付けられたという。両岸には手つかずの鬱蒼とした樹林。ブナ、ナラをはじめとしてカツラ、トチの巨木が生い茂り、下生えはオニシモツケ、オオカメノキ、シダ。苔蒸した枯木や岩。流れの中に点在する岩も苔に覆われ、樹木が生えている岩もある。渓流と十和田道との間に自然散策路がある。手を伸ばせば水辺に届きそうな散策路。この近さが奥入瀬渓流に親しみを感じさせるのだろう。

馬門橋を渡って左岸の自然散策路を往く。奥入瀬渓流の代表的な景観の一つ、阿修羅の流れ。流れは苔蒸した岩を食み、渦を巻いて流れる。絵になる流れを撮ろうと場所を移動するカメラを担いだ人達。渓流は穏やかになって飛金の流れ。流れの中にある岩が陽に当たって金色に光るという。対岸には密やかに流れ落ちる千筋の滝。裸渡橋を渡って右岸に戻ると雲井の滝。樹林に囲まれた断崖から水量豊かな3段、高さ20mの滝。渓流の滝の中でも見応えのある滝だという。

九段の滝 銚子大滝


薄暗い渓谷に白布ノ滝。空から舞い降りた天女が1枚の白絹を垂らしたように見える滝。渓流はゆったりと、また激しく流れる。1mも葉を広げる羊歯、白い線香花火のように咲くオニシモツケの花。岩に跨がる大木。上流から散策路を歩いて来る人達と擦れ違う。中国人のツアー客もやって来た。挨拶しても応えてくれたのはほんの僅か。玉簾の滝の先に一目四滝という場所がある。左岸に白絹の滝、白糸の滝、不老の滝、右岸には双白髪の滝。おや、遠くの雷鳴が近づいてくる。

対岸に九段の滝。九つの岩棚を滑り落ちる滝水。見事。歩くほどに微かな滝音が次第に大きくなってくる。銚子大滝。<銚子の大滝は奥入瀬本流にかかる唯一の滝で、高さ7m、幅20mほどあります。ほぼ直角に切り立っているため魚類がこの滝を上がれず、十和田湖にはかつて魚がまったく住んでいなかったと言われています> 時計を見ると予定よりも1時間も早い。十和田湖の畔、子の口まで行ってもいいが、どうもひと降りありそうな気配。丁度帰りのバスがやって来た。


曇り 日帰り 単独行 歩行距離=58km 歩行時間=1時間40

新青森駅1010⇒(JRバス東北、みずうみ6号)⇒1223馬門岩
馬門岩12251230阿修羅の流れ→1245飛金の流れ→1250千筋の滝→1255雲井ノ滝→1300白布の滝→1350一目四滝→1400九段の滝→1405銚子大滝
銚子大滝1409⇒(JRバス東北、みずうみ7号)⇒1504谷地温泉 (泊)