シダンゴ山 しだんごやま 

216 2012/4/13(金) シダンゴ山 758m → 高松山 801




寄(やどりぎ)  尺理(ひさり)

シダンゴ山や高松山と云えば、丹沢の南端に位置し、ファミリーハイクよし、陽だまりハイクよしの山。共にアクセスはいいし、2時間以内で上れるし、山頂には草原広場があるからだろう。またそれぞれに周回コースがあり、単独に登られているが、山地図を見るとこの二つの山を結ぶルートが点線で描かれている。どうも径路不明につき道迷いしそうなルートのようだ。ネットで調べると踏み跡もしっかりしているし、道標も備わっているという。ルートを探ると13km余りの歩き、まっいいか。


暴風雨が吹き荒れる日もあれば、ぽかぽか陽気の日も訪れる4月。寄行きのバスに同乗するハイカーは女性2人組だけ。散り始めた桜咲くバス停を後にして、中津川に架かる大寺橋を渡る。さすがファミリーハイクの山、適所にある道標が登り口まで案内してくれる。意外に急な坂道を上って集落を通り抜ける。公衆トイレや水道施設を通過する。茶畑越しに春を装う寄の集落を一望する。猪除けの柵に入ると農道は山道へ変わる。迎えてくれる鶯の囀り。杉林を抜けて桧林、また杉林。

シダンゴ山から北を見る  左から伊勢沢ノ頭、桧岳、雨山  最奥に蛭ヶ岳 


木洩れ日を背に受けて展望の効かない杉の山を上る。丹沢には春を彩るカタクリやアカヤシオの花はない。その代わりにミツマタの花が咲く。ここにも満開の木を見つける。丸木の階段を上りきると樹林が途切れ、アセビ(馬酔木)の群落。すり抜けてシダンゴ山の山頂。アセビに囲まれた山頂広場の中央に、寄神社の元宮と云われる祠がある。シダンゴ山はそれほど高い山ではないにせよ景観を誇る。北に桧岳に雨山。奥に蛭ヶ岳。あれは塔ノ岳、鍋割山。山の端から覗く冠雪の富士山。


シダンゴ山とは異なる名の山。石祠の隣に山名の由来を記した石碑がある。シダンゴ(ウ)とは震旦郷と書き中国の旧異称。その昔、仏教を寄の地に伝えるシダゴンと呼ばれる仙人が居て、大寺のこの山上に居住し、盛んに往来したという。シダゴンとは梵語で羅漢を意味し、シダゴン転じてシダンゴウ(震旦郷)というようになったともいう。この山は寄神社の元宮とされ、白馬に跨った弥勒菩薩が頂上より中津川に飛びおりた時、馬のひずめの跡が河原の大石に残ったとの伝説もある。

高松山の山頂 ビリ堂、2体の馬頭観音


西へ桧林を下って宮地山分岐。鞍部で虫沢林道を横切り、長い鉄梯子で上り返す。荒れた尾根道を登りつめて縦走路の最高地点、ダルマ沢ノ頭、標高880m。林道秦野峠分岐を通過。S社の山地図には2個所に(迷)マークが載る。案ずることはない、道標どおりに歩けば枝尾根へ踏み込むことはない。29号鉄塔を過ぎると西ヶ尾の標識がなんと二つのコブに掲げられている。道標のない分岐に出る。尾根を上る踏み跡を選ぶと大正解。ヒネゴ沢乗越を過ぎると高松山が見える。


高松山は10年前に登った記憶とは異なる。たしか針葉樹林に囲まれた山頂広場から樹林越しに富士山を見た筈。それが、南側の木々が刈り払われて、相模湾から箱根連山、富士山の恰好の展望台となっている。惜しむらくは富士山、春霞にぼうと薄れて。山頂の中央にあるベンチに二人の先客。僕は南のベンチで昼食を摂る。下山は荒れた山道に難渋、ビリ堂まで降るとまた歩き易い杉林。ミカン畑を縫う尺理の里。次の路線バスは1時間後。さて、JR御殿場線で帰ろうか。


晴のち曇り 日帰り 単独行 歩行距離=13.5km 歩行時間=5時間20

小田急線、新松田駅755⇒(富士急湘南バス)⇒820
820845猪防護柵850935シダンゴ山9451020ダルマ沢ノ頭10251040林道秦野峠分岐→1135西ガ尾→1215高松山12301255ビリ堂13001400尺理→1420JR御殿場線、山北駅