箱根駒ヶ岳3はこねこまがたけ

170 2008/12/7(日) 箱根駒ヶ岳 1,356m → 神山 1,438m 日本300名山




かつての悪餓鬼共が奥湯本に集い中国語を勉強する日には、いつものように何処か箱根の山に登りたい。空気の澄んだこの季節、駒ヶ岳に登れば大きな富士山が拝める。100人乗りのロープウェイには、お揃いの紅葉色の帽子を被った50人ものツアーが乗る。千葉から来たご一行様は姦しいことよ。上るにつれて展望が開けてくる。一人が解説を始める。あれが大崩れ、もっこりしたのが宝永山。朝日を映して眩しい駿河湾に目を細めて、大島の手前が初島よ、右が式根島。


12月は一年のうちいちばん晴れ間が多く、日没が最も早いのは今ごろ、とは天気予報士の言。頂上駅を出ると寒い、零下2度。枯れ芝を緩やかに上って箱根元宮へ。<白馬の伝説 孝昭天皇の頃、山頂に神仙宮をたて祀り、修験の場所としました。今に残る馬降石・馬乗石はここに白馬が降りたとする名残りとしています。岩肌には馬の形が刻まれ、またひずめの痕と伝えられる窪みには、どんな日照りにも水が枯れたことがないと云われています。伊豆箱根鉄道>


駒ヶ岳から俯瞰する芦ノ湖


駒ヶ岳の観光案内板がある。<駒ヶ岳 箱根の中央火口丘のひとつで、神山に次ぐ高い山です。箱根の山岳信仰では、古くから神山を神と仰ぎ、駒ヶ岳山頂をその祭りの庭としてきました。山頂にはハコネコメツツジ、コイワザクラ、ハコネトリカブト等が見られます> 落葉した低木の樹林帯を分けて山道を下る。霜柱が靴に蹴飛ばされ、踏まれて真白な山道になる。小さな沢を木橋で渡る。間もなく駒ヶ岳と神山との鞍部に出る。そこは樹林が開けて日の当たる草地、防ヶ沢の分岐。


見上げれば神山が見える。白く輝く樹氷の山頂。また葉が落ちた広葉樹林を上る。林床は背よりも高いササ。何人ものハイカーと擦れ違う霜解けのぬかるみ、石ごろの道。<神山と駒ヶ岳の植物 古い箱根山の800m以上の地域は、ブナ・カエデなどの落葉広葉樹で覆われていました。隣の神山ではその姿が残されています。また駒ヶ岳は強い風の影響を受け、ササ・シモツケソウなどの草原となり、隣り合わせの二つの山は違った植物の様子を示しています。 伊豆箱根鉄道>


駒ヶ岳から西方に大きな富士山が眺められる


神山の山頂は細長く、樹木に遮られて展望はない。山頂標柱、天照大御神と彫られた石碑。<神山 箱根山の最高峰で、駒ヶ岳、二子山などとともに中央火口丘を形成しています。古くから、神の山として崇められてきた古代山岳信仰の霊山です。サンショウバラ、ヤマボウシ、ブナが多く見られます> 既に10数人が静かに食事している。満席の山頂には腰を下ろす場所がない。山頂を少し過ぎたところに手ごろな岩がある。しかも5合目まで冠雪した富士山の全容が望める。


箱根の山もオーバーユースなるが故に荒廃が進む。荒れた山道は掘割状にえぐれて露岩が現れる。急坂を降ると鳥居に出くわす。冠ヶ岳へ5分の標柱が立つ。小社の脇をすり抜け、急登して冠ヶ岳、標高1,409m。<冠ヶ岳 この山は、仙石原方面から見ると烏帽子のように見えることから冠ヶ岳と名付けられ、粘性の高い溶岩が柱状に固まってできた山です。10月末には付近一帯が色づき始め、箱根の秋のすばらしさを満喫できます> 冠ヶ岳入口まで戻って樹林を下る。


神山山頂 大涌谷


冠ヶ岳からは露岩の坂道。樹間から眺める富士山を楽しみながら下る。突然、異臭が鼻を衝く。大涌谷分岐。以前に見かけた大涌谷への通行禁止の立札がない。早雲山駅への予定は止めて大涌谷へ降りよう。警告の立て札がある。<登山者のみなさんへ 大涌谷から大涌谷園地までのコースでは、火山ガスが発生しています。危険なガス濃度になると警報装置でお知らせします。十分注意してください。 箱根町> 太陽を背にした冠ヶ岳が左手からのしかかるように聳えている。


白い噴煙が立ち昇る大涌谷。<注意 この警報機が黄色点滅(ブザー)の時は、火山ガス濃度が高くなり、注意が必要です。立ち止まらず、通行してください。赤色点滅(ブザー)の時は、火山ガス濃度が非常に高くなり、危険です。至急、下山してください。 箱根町> 火山ガスが漂う木道を歩いてゲートを出る。大勢の観光客が右往左往する大涌谷。バスに乗りたいが箱根路は大渋滞だという。山に別れを告げてロープウェイに乗る。山旅はロープウェイに始まりロープウェイに終わる。


快晴 単独行 歩行距離=4.5km 歩行時間=2時間

箱根登山鉄道、箱根湯本駅850⇒(伊豆箱根鉄道バス)⇒950箱根園1000⇒(駒ヶ岳ロープウェイ)⇒1010駒ヶ岳頂上駅
駒ヶ岳頂上駅10201025箱根元宮10301050防ヶ沢分岐→1120神山11451200冠ヶ岳→1230大涌谷分岐→1250大涌谷
大涌谷1300⇒(箱根ロープウェイ)⇒1309早雲山1323⇒(箱根登山ケーブルカー)⇒1407強羅