高山たかやま

107 2005/5/10(火) 高山 1,668m




淡い桃色の花が咲くアカヤシオは、春の訪れを告げる。木々が芽吹く前、色褪せた山肌に、ひときわ鮮やかに咲くヤシオ。アカヤシオといえば両神山。連休中は登山客で溢れるという。丹沢の桧洞丸はシロヤシオ。5月下旬になると、日頃訪れる人が少ないこの山も、ツアーが組まれるほどの賑わいとなる。奥日光はやっと雪も融けて、ヤシオが咲き始めたという。麓から山を上る春。4月下旬にはいろは坂、今は中禅寺湖畔が身頃らしい。さて、日光の春に、温泉に、浸ろうか。


今日は、箱四会の諸兄を誘って日光高山へ。日光といえども、連休明けはさすがに人出が少ない。ほどよく座席の埋まった東武バス、目にも鮮やかな新緑のいろは坂を駆け上る。上るほどに、緑の山肌に鮮やかなピンクが映えるアカヤシオ。春一色はいろは坂まで。中禅寺湖畔は芽吹きを待つ木々、春未だしの感。オオヤマザクラが咲き誇る金谷ホテルを通過。乗り物からやっと解放されて下車する竜頭ノ滝。朝の日差しが、冷気が、ほとばしる水音が気分を高揚させる。


高山山頂 小田代ヶ原


滝上が高山への登山口。林床のミヤコザサを分けてカラマツ林を上る。右手、樹間から覗く男体山。ダケカンバの林に入ると、左に中禅寺湖と黒檜山を垣間見る。登る山道は足にやさしい土の道。踏みつけると弾むようだ。山登りの経験が浅いといっても二人のペースは早い。写真を撮りながら後塵を拝するボク。追い付くのが精一杯。上るにつれて、コメツガの緑の大木が増えてくる。1本だけ見かけたアカヤシオ、出番待ちのシャクナゲ。突然、雪が降ってきた。


残雪だまりを過ぎると、あっけなく登頂。樹林の山頂。見下ろすと白浜の千手ヶ浜。北には前白根と白根隠シ山の間に、あれは冠雪の日光白根。風を避けて枯葉の上で、さて昼食。楽しきは、弾む会話のにぎり飯。時折、突風が山裾を回り込む。おお、寒。怪しげな雲行き。拡げた荷物をまとめて早々と下山しよう。西斜面を降り始めると、いっとき、横なぐりの吹雪。熊窪への分岐まで下りると、何事もなかったように青い空、浮かぶ雲。白根隠し山から男体山に続く山並が見渡せる。



見事な林を通り抜ける。ミズナラの林、カラマツ林、シラカバ林。伐採や山火事で日当たりが良くなると、他の樹木に先駆けてシラカバが自生する。シラカバが林を形成すると、日陰を好むミズナラが生えて成長する。するとシラカバは枯死し、ミズナラ林にとって替わるという。カラマツは唯一落葉する松だが、葉が出るのが早く、落葉するのは最も遅い木だという。晩秋、あたりの葉が落ちたあと、カラマツの葉が秋の陽を浴びて、それは黄金色に輝いて見えますよ。


戦場ヶ原


低公害バス道からシカ侵入柵の回転扉を抜けて、まだ枯草の小田代ヶ原に入る。田代とは湿原のこと。小田代ヶ原は乾燥化が進み、まるで草原。さらに、シカによる草花や樹皮の食害が激しく、かつて豊富に見られた花やチョウたちの姿を見ることが、今では難しいという。シカ柵のワイヤーは通電中。人が感電したらバ鹿だね。カラマツ林から草原へ、またシラカバ林へと木道を歩む。草原の向こうには白根山の前衛の山がそそり立つ。振り返ればこんもりとした高山が笑っている。


もういちど回転扉を通り抜けると戦場ヶ原。とたんに大勢の人。走り回る小学生、声高の女性達。戦場ヶ原は、パノラマのように広がる山々に囲まれている。白根、三岳、山王帽子山、太郎山、男体山。壮観。ゆったりと流れる湯川に沿って、時々ぐらりと傾く木道を歩く。川の中に、丸く盛り上がった谷地坊主と呼ばれる草の株がある。草原にシラカバ林、カラマツ林。梅の木に似たズミの中木が多くなると、もう赤沼バス停に近い。芽吹き前の奥日光、それでも上等の自然を満喫。


晴一時小雪 日帰り 同行者=O君&I君 歩行距離=9.5km 歩行時間=3時間25分

東武日光駅836⇒(東武バス)⇒940竜頭ノ滝
竜頭ノ滝945950滝上→1100高山11301155熊窪分岐→1220柳沢林道→小田代ヶ原→1305戦場ヶ原→1340赤沼
赤沼1350⇒(東武バス)⇒1450神橋