単 語 一 覧



関連単語・事項……係り結びの法則 【】()
@「」
関連単語・事項……「」


【閼伽棚】(名詞)
@仏前に供える水や花、または仏具などを置く棚。


【あはれなり】(形容動詞ナリ)
@「しみじみと感動するさま」
A「いみじみと情趣が深い」
B「心が引きつけられおもしろい・美しい」
C「かわいい・いとしい」
D「気の毒だ・ふびんだ」
E「愛情が深い」
F「立派だ・感心だ」
関連単語・事項……「をかし」 「おもしろし」


【あまた】(名詞・副詞)
@(数量について)「たくさん・多数」
A(程度について)「非常に・はなはだ」
B(打消と呼応して)「たいして〜ない」


【あやし】(形容詞シク)
[奇し・異し・怪し]
@「神秘的だ」
A「異常だ・不思議だ・並々でない」
B「奇妙だ・奇怪だ」
[賤し]
@「見苦しい・粗末だ」
A「身分が低い・卑しい」


【あやまつ】(動詞)
@「間違える」
A「罪を犯す・不正をする」
B「背く・背反する」
C「健康を害する・病気になる」
D「人を殺傷する」


【いかに】(副詞)
@「どのように」
A「どうして・なぜ」
B「どんなにか〜だろう」


【いさ】
[感動詞]
@(すぐに返答できない時に発する言葉)「さぁ・ええと」
[副詞]
@(下に「知らず」を伴って)「さぁ、どうだろうか」


【いたづら】(形容動詞)
@「何もすることがない状態・暇」
A「役に立たない状態」
B「無駄」
C「ふしだら」


【いと】(副詞)
@「とても・たいそう・非常に」
A「まったく・本当に」
B(下に打ち消しの語を伴って)「たいして・そんなに」


【いとほし】(形容詞)
@「困る・いやだ」
A「見ていてつらい・気の毒だ」
B「いじらしい・いたいたしい」
C「かわいそうだ」
D「かわいい」


【いほり】(名詞)
@旅先などで、仮小屋に泊まること。
A粗末な仮の家。


【今は昔】
@物語・説話の冒頭に用いられる慣用句で、「今からみると昔のこと・今ではもう昔のこと」の意。


【いみじ】(形容詞)
@「はなはだ忌むべきである」
A「不吉なほどひどい」
B「大変立派である・すばらしい」
C「たいそう・はなはだ」


【うち】(接頭語)
@動詞について、力強い動作、すばやい動作、念入りな動作、ちょっとした動作など、種々の意を表す。また、単に語調を整えるのにも使われる。よって現代語に訳すのは難しいので、特に訳さない場合が多い。


【うつくし】(形容詞シク)
[愛し]
@「心が引かれる・いとしい」
A「かわいらしい・愛らしくうつくしい」
[美し]
@「立派だ・みごとだ」
A「外見がきれいだ・うつくしい」
B「きれいさっぱりとしている」
C「円満だ・かどがたたない」


【えうなし(要なし)】(形容詞)
@「必要がない・役に立たない」
 ※「えう(要)」は「必要」という意味。


【おごる】(動詞)
@「自慢する・高慢なようすをする」
A「わがままな振る舞いをする」


【おはす】(動詞)
@(「あり」「居り」「行き」「来」の尊敬語)「いらっしゃる」
A(動詞の連用形について)「〜ていらっしゃる」


【おぼしめす】(動詞)
@(「思ふ」の尊敬語)「お思いになる」


【おぼす】(動詞)
@(「思ふ」の尊敬語)「お思いになる」


【おぼゆ(覚ゆ)】(動詞)
@「感じる・自然に思われる」
A「思い出される」
B「似る・おもかげがある」
C「思われる」


【おもしろし】(形容詞)
@見て心が晴れ晴れするさま。
A「自然の風景が趣がある」
B「興味がある・おもしろい」
関連単語・事項……「あはれなり」 「をかし」


【かうしやうのはおく(江上の破屋)】(名詞)
@江戸深川(今の東京都江東区の西部)にあった松尾芭蕉の庵。


【かぎろひ】(名詞)
@明け方、日が出る頃に地平線上に赤みを帯びて見える光。


【かく(斯く)】(副詞)
@「このように・そのように・こう」


【かけひ】(名詞)
@竹や木を地上に掛け渡して水を引く樋(とい)。


【かたへ】(名詞)
@「片一方」
A「一部分」
B「かたわらの人・一座の人・仲間の人」
C「辺鄙な土地・いなか」


【かち(徒歩)】(名詞)
@「徒歩」
A「歩兵」


【かな】(終助詞)
@感動の意味をあらわす。「〜だなぁ・〜であることよ」


【かなし】(形容詞)
@「どうしようもないほど切なく、いとしい・かわいくてならない。」
A「ひどくつらい」
B「貧しい」
C「どうにも恐ろしい」
【かばかり】(副詞)
@「これほど・これくらい・こんなにも」
A「これだけ・これぎり」


【神無月】(名詞)
@陰暦の十月の異称。
関連単語・事項……暦(季節)

【かれいひ(乾飯)】(名詞)
@炊いたご飯を乾燥させたもので、旅行の時に携えた。


【くつばみ】(名詞)
@(馬の)くつわ
※ くつばみを並ぶ……「馬を並べる・馬を連ねる」


【けり】(助動詞)
@今まで気づかなかった事実に、気が付いて述べる意を表す。「〜たのだ」の意。
A昔あった事実を、人づてに聞くなどして述べる意を表す。「〜たそうだ・〜したとさ」の意。
B過去にあった事柄や、以前から現在まで続いている事柄を回想して述べる意を表す。「〜た・〜たのであった」の意。
C詠嘆の意をこめて、これまであったことに今、気づいた意を表す。「〜たことよ」の意。


【心うし】(形容詞)
@「つくづうなさけなく、いやになる」
A「好ましくない・いやだ」


【こじん(古人)】(名詞)
@「昔の人」
※『奥の細道』(夏草)では、中国の詩人李白や杜甫、または連歌師である宗祇など、風雅の道に生きた昔の人という意味で使われている。


【こそ】(係助詞)
@いくつかの事物の中から一つの事物を選んで、特に強く指示する意を表す。
A(係助詞「も」+「こそ」)「〜するといけない」
B(文末もしくは動詞の連用形+「こそ」)「〜してほしい・〜てくれ」
C(「こそ〜め」)「〜してほしい」
関連単語・事項……係り結びの法則


【こぞる】(動詞)
@「皆連れだって〜する・全部集まる」


【ことさむ】(動詞)
@「興がさめる・座がしらける」


【理(ことはり)】(名詞)
@「筋道・道理」
A「わけ・理由」


【小兵(こひゃう)】(名詞)
@弓を引く力の弱いこと。またその人。
A体の小さいこと。小柄。


【さすらふ】(動詞)
@「落ちぶれてさまよう・落ちぶれて暮らす」
A「流浪する・さまよう」


【さそふ】(動詞)
@「連れて行く・連れ去る」
A「そそのかす・促す」


【さへ】(副助詞)
@添加の意味を表す。「〜までも」
A程度の軽いものを上げ、重い物を推量させる意味を表す。「〜さえ・〜でも」
関連単語・事項……「だに」「すら」


【さらで】(動詞「さり」+接続助詞「で」)
@「そうでなくて」


【さらなり】(形容動詞ナリ)
@「言うまでもない・もちろんだ」
関連単語・事項……「いふもおろかなり」「いへばおろかなり」「いへばさらなり」「いふもさらなり」「さらにもいはず」「さらにもあらず」


【ざり】(助動詞)
[助動詞「ず」の補助活用]
@「〜ない・〜ないでいる」
関連単語・事項……助動詞 「ず」


【さる】(連体詞)
@「そういう・そのような」
A「相当な・立派な」


【さんり(三里)】(名詞)
@膝頭の下の外側よりの、少しくぼんだ部分。そこに灸をすえるとよく効く。


【じ】(助動詞)
@(打ち消しの推量の意をあらわす)「〜ないだろう」
A(打ち消しの意志の意をあらわす)「〜ないつもりだ」


【ず】(助動詞)
@打消の意味を表す。「〜ない」
A連体形の「ぬ」が終助詞の「か」につづいて願望の意味を表す。「〜してほしい・〜しないかなぁ」
関連単語・事項……助動詞 「ざり」


【ぞ】(係助詞)
@「ぞ」の付いた語を特に取り立てて強調する。
A文末にある場合、文全体を強調する。
※ 文中に「ぞ」がある場合、係り結びの法則により、結び(文末)は連体形で結ぶ。
関連単語・事項……係り結びの法則


【そこはかと】(副詞)
@「はっきりと・確かに」
A「何となく・とりとめもなく」



【そぞろがみ(漫ろ神)】(名詞)
@なんとなく人の心を誘い動かす神。


【だうそじん(道祖神)】(名詞)
@道路の邪神を防ぎ、通行人を守る神。石に彫って、峠や村境などに祭るもの。


【たけし(猛し)】(形容詞)
@「力が強い・勢いが盛んだ」
A「気が強い・勇ましい」
B「精一杯だ・せいぜい〜」


【たまふ】(動詞)
[尊敬語 ハ行四段活用]
@「お与えになる・くださる」
A(命令形で)「ぜひ〜して下さい」
[尊敬語 ハ行四段活用 補助動詞]
@「お〜なさる・お〜になる・お〜なさる」
[謙譲語 ハ行下二段活用]
@「いただく」
[謙譲語 ハ行下二段活用 補助動詞]
@「〜存じます・〜させていただきます」


【たり】(助動詞)
[完了の助動詞]
@動作・作用が完了したことを表す。「〜た」
A動作・作用が終わって、その結果が存在している意を表す。「〜た・〜てある」
B動作・作用が継続・進行している意を表す。「〜ている」
[断定の助動詞]
@断定の意を表す。「〜だ・〜である」
関連単語・事項……助動詞


【つ】(助動詞)
@(完了の意をあらわす)「〜た・〜てしまった」
A(強意の意をあらわす)「確かに〜する」


関連単語・事項……
助動詞


【つかまつる(仕る)】(動詞)
@(「仕ふ」の謙譲語)「お仕え申し上げる」
A(「す」「なす」「おこなふ」「つくる」などの謙譲語)「〜に奉仕する・いたす」
B(「す」「なす」「おこなふ」などの丁寧語)「いたします」


【つきづきし】(形容詞シク)
@「似つかわしい・ふさわしい」


【つつ】(接続助詞)
@同じ動作・作用が繰り返し行われること(反復)を表す。「〜し、また…する」
A動作・作用が引き続いて行われること(継続)を表す。「〜し続ける」
B上の動詞の表す動作・作用と別の動作・作用が並行することを表す。「〜ながら」
C和歌の第五句に用いられて、詠嘆の意を表す。「〜のことよ」


【つとめて】(名詞)
@(何か事件のあった)「その翌朝」
A「早朝」


【つゆ】
(名詞)
@大気中の水蒸気が水滴になり、草木などに付いたもの。
A(露の量のわずかなことから)「わずか・ほんの少し」
B(露が消えやすいことから)「はかなく消えやすいこと・もろいこと」
(副詞)
@「ほんのちょっと・わずか」
A「(下に打消を伴って)少しも・全く・全然」
関連単語・事項……呼応表現


【つれづれなり】(形容動詞ナリ)
@「所在ない・手持ちぶさた」
A「つくづくと物思いに沈むさま」


【年ごろ】(名詞)
@「長年の間・年来」
A「年配」


【な】(終助詞)
@禁止の意味をあらわす。「〜するな」


【なむ】(係助詞)
@強く指示し、また文意を強める。
A文末にあって、言葉をやわらげつつ断定の意を表す。
※ 「なむ」が文中に用いられると、結び(文末)となる活用語は係り結びの法則によって連体形となる。
  「なむ」は強めが主な働きであるが、訳には特に出さなくてよい。
関連単語・事項……係り結びの法則


【ならでは】(助動詞「なり」+接続助詞「で」+係助詞「は」)
@「〜でなくては・〜以外には」
A「〜しか」


【にや】(断定の助動詞「なり」の連用形「に」+係助詞「や」)
@「〜で〜か」
A(「にやあらむ」の「あらむ」の省略された形。「〜であろうか」
関連単語・事項……呼応表現

【ぬ】(助動詞)
@動作・作用が完了した意味を表す「〜た・〜てしまう・〜てしまった」
A「む」「らむ」「べし」などを伴って意味を強める。「きっと〜だ・たしかに〜だ」
関連単語・事項……助動詞


【はくたいのかかく(百代の過客)】(名詞−連語)
@「永遠の旅人」


【はた】
@上の意味を受けて、これからひるがえす意味を表す。「しかしながら・それでもやはり」
A対等の関係に立っている文節を接続し、二つ以上の仮想から、一つを選び出していく意味。「それとも・あるいは・また」
B上の意味をつけて「も」と同じような意味を表す。「〜もまた・その上また」
C(下に打消の語を伴って)「おそらく・きっと」


【はべり】
(動詞)
@(貴人のそばに)「お仕え申す・伺候している」
A「あります・ございます・おります」
(補助動詞)
@「〜ます・〜ております」
A「〜ございます・〜です」


【はるたつ(春立つ)】(動詞 連句)
@「立春になる」


【日ぐらし】(名詞)
@「朝から晩まで・一日中」
A「その日暮らしをすること」


【火桶<ヒヲケ>】(名詞)
@木製の丸火鉢(現代のストーブみたいなもの)



【べし】(助動詞)
@推量の意味を表す。「〜だろう・〜しそうだ」
A意志の意味を表す。「〜するつもりだ・〜しよう」
B可能の意味を表す。「〜できる」
C当然の意味を表す。「〜するはずだ」
D命令・義務の意味を表す。「〜しなければならない」
E適当の意味を表す。「〜するのがよい」
関連単語・事項……助動詞


【ほとぶ】(動詞)
@水分を含んでふやける。


【まし】(助動詞)
@事実に反することを仮に想像する意を表す。「もし……だったら〜だろうに」
A「いかに」「なに」「や」などの疑問の意を表す語とともに用いて、「〜したものだろうか」の意を表す。
B「〜すればよい」
C単なる推量の意を表す。「〜であるようだ・〜だろう」


【まほし】(助動詞)
@(動作の主体の希望の意味をあらわす)「〜たい」
A(他に対してその状態への希望の意味をあらわす)「〜してほしい」


【む(ん)】(助動詞)
@(推量をあらわす)「〜だろう・〜でしょう」
A(意志をあらわす)「〜う・〜よう」
B(仮定をあらわす)「〜ならば……」
C(当然をあらわす)「〜するのがよい」
D(勧誘をあらわす)「〜しませんか」
E(婉曲をあらわす)「〜ような……」
関連単語・事項……助動詞


【むげ】(形容動詞)
@「さしさわりがないこと」
A「疑問の余地のないこと」
B「問題にならないこと・論外」
C「全くひどいこと」


【めづらし】(形容詞)
@「もっと逢いたい・見たい・聞きたい」
A「稀に見ることができて嬉しい」
B「新鮮に感じられて心を惹かれる」
C「めったにない」


【めでたし】(形容詞)
@「申し分なくすばらしい」
A「結構なことである」
B「お人好しである」


【物ぐるほし】(形容詞)
@「狂気じみている・何となく気が変になりそうだ」


【や】(感動詞)
@(驚きを表す)「あっ・あぁ」
A(呼びかけを表す)「もし・ちょっと」


【やうやう】(副詞)
@「だんだんと・次第に」
A「かろうじて・やっと」


【山ぎは】(名詞)
@山の稜線に接するあたりの空。
A山のそば。山のほとり。山のすそ。
関連単語・事項……「山のは」


【山のは】(名詞)
@山の上部の空に接するあたり。
関連単語・事項……「山ぎわ」


【ゆ】(助動詞)
@(上代に使われた助動詞で動作・作用の時間的な起点をあわらす)「〜以来・〜から」


【ゆかし】(形容詞)
@「見たい・聞きたい・知りたい」


【ゆゆし】(形容詞)
@「触れるのは恐れ多い」
A「言葉に出すのも恐れ多い」
B「不吉である・縁起が悪い」
C「恐ろしい」
D「大変である・程度が甚だしい」
E「豪勢である・すばらしい」


【ゆるぶ】(動詞)
@「ゆるくなる・ゆるやかになる・しまりがなくなる」
A「油断する・怠る」
B「心がくつろぐ・おだやかになる」


【よしなし】(形容詞)
@「理由がない・根拠がない」
A「方法がない・手段がない」
B「無益である」
※ 「よしなしごと」……「とりとめもないこと・つまらないこと」

【よろづ】(名詞)
@「いろいろ・さまざま」
A「すべてのこと・万事」


【らし】(助動詞)
@(ある根拠・理由に基づき確信を持って推定する意味)「〜にちがいない・きっと〜だろう」
A(明らかな事実・状態をあらわす語に付いて、その原因・理由を推定する意味)「〜というので〜らしい」

【らむ】(助動詞)
@(推量をあらわす)「〜だろう」
A(原因推量をあらわす)「……なので〜しているだろう」
B(婉曲推量をあらわす)「〜ているような・〜とかいう」
関連単語・事項……助動詞


【わびし】(形容詞)
@「心細い・物足りずさびしい」
A「辛い・苦しい」
B「貧しい・みすぼらしい」
C「つまらない・物足りない・興ざめだ」


【わぶ】(動詞)
@「思いなやむ・悲観する」
A「寂しい思いでいる」
B「落ちぶれている」
C(動詞の連用形に付いて)「〜しかねる・〜しにくい」


【わろし】(形容詞シク)
@「劣っている・よくない」
A「不体裁である・見栄えがしない」
B「下手である・つたない・まずい」
C「不都合だ・適当でない」
D「貧しい・とぼしい」
E「下品である・卑しい」
関連単語・事項……「あし」「よし」「よろし」


【ゐる】
[率る]
@「座る・座っている」
A「存在する」
B「(雲などが)かかる・(ちりなどが)付く」
C「(地位に)つく」
D動詞の連用形または助詞「て」について、動作・状態・結果などの存続を表す。「(ずっと)〜している」


【をかし】(形容詞シク)
@「おもしろい・趣がある・風情がある」
A「すぐれている・みごとだ」
B「かわいらしい」
C「滑稽だ・笑いたくなる」
関連単語・事項……「あはれ」 「おもしろし」