丸岳2まるだけ

120 2005/12/2(金) 丸岳 1,156




年に2回も箱根会があって、その都度箱根の山に登ると、同じ山を何度も登ることになる。富士山の見える山がいい。箱根の西端の山からは、御殿場の向こうに大きな富士山が見える。矢倉岳、金時山、丸岳。昨春4月、芦ノ湖展望公園から上ると稜線は吹き荒れた地吹雪。丸岳山頂に着く頃には風は止み、日が射して白銀の富士が見えたっけ。今日は乙女峠から丸岳に上ろう。稜線を長尾峠から降りれば湖尻へ最短時間で着ける。湖尻峠まで足を伸ばすとちょっとお疲れコース。


口をきいたら損すると思っているのか、無愛想なバスの運転手。同乗者は老夫婦だけ。乙女峠で下車。すぐ目に飛び込む御殿場市街と、その先の富士山。晴れ、冷たい風。手早く身支度を整えて登り口に立つ。<乙女の鐘より上部に崩壊地があり、通行禁止> との立て札。昨年と同じかぁ。富士見茶屋前にツアーバスが到着。車からこぼれるように出てくる人を掻き分けて、左手の木段を上る。桧林の荒れた山道。面白味のない道。僅かの上りで、白い犬に迎えられて、乙女峠。


丸岳山頂、東に中央火口丘 丸岳山頂、西に富士山


西側の展望台に登って富士山を、東のベンチに座って神山、冠山を、はいパチリ。乙女茶屋から立ち昇る薪の煙にむせながら、丸岳の北尾根を登る。熊笹のだらだら坂。赤土、石ころ、落葉。葉の落ちた潅木林。ウツギ、マメザクラ。尾根道がやや平坦になると前方に一つ目のピーク。振り返れば枝葉の間から円頂の金時山が見える。冷たい向かい風。三つ目の小峰に上ると、丸岳が見えてきた。気持ちのいいブナ林、寒そうなヒメシャラ。ちょっとした急坂を上りつめると、丸岳。


丸岳山頂には無線中継所があり、アンテナ塔が建つ。笹原の山頂にはテーブルとベンチ。視界が開けて格別の見晴らし。山位同定できるところ。外輪山の北側の山々、金時山から焼山、明神ヶ岳。シルエット状の中央火口丘の小湧谷、神山。逆光に白く光る芦ノ湖。豆粒のように小さい遊覧船。西側には背伸びをすると、笹の葉越しに愛鷹山、富士山が見える。芦ノ湖に向かって進む尾根道は、外輪山周回歩道という。湖尻峠、三国山、山伏峠を経て、箱根峠まで続く。


尾根筋には、いくつもの展望地がある。丸岳、長尾峠展望台、富士見台、富士見ヶ丘公園、芦ノ湖展望台、湖尻峠。笹原の尾根道は、歩き易いが起伏の多い道。歩くにつれて、山と湖の表情は変わってゆく。熊笹から背の高いハコネダケに囲まれると長尾峠。この峠から牛憩ノ泉に降りるのが当初の予定だが、<湖尻方面は土砂崩れのため、通行止めです。仙石原、自然探勝道、浄水センター方面は、通行可能です> との案内板がある。直進するほかに手はない。


丸岳(左)、金時山(右) 芦ノ湖展望公園


稜線歩きはアップダウン続き。ブナ林の小峰、三等三角点の小峰。場所により、緑の丸い葉や、笹の葉の落葉がある。富士見ヶ丘公園を過ぎると、大分疲れてきた。芦ノ湖を見ながら、ここでちょっとひと休み。昼食。歩き易い山道は、予定時間よりも早い。芦ノ湖展望台。湖尻水門へ降りられるが、湖尻峠まで足を延ばそう。下る一方だと思ったら、また小ピークをいくつも越える。最後は熊笹を分けて、崩れ易い赤土を急降下、湖尻峠。箱根スカイラインと湖尻からの車道の合流点。


<湖尻峠、850m。うみじり峠と読むのが正しいのです。江戸時代には箱根の関所を守るために、旅人の通行は禁止されました。この峠の下を箱根用水が通っています> 湖尻峠から杉林の中、石畳の階段を130m程降る。深良水門からは湖畔沿いに桃源台へ。さて、帰路のバスの中から思いもかけぬ絶景が見える。仙石原から仰ぎ見る外輪山の山々。圧巻は早川沿いの見事な紅葉。もうじき湯本。ひと風呂浴びると、山から下りてきたカモを待つ4人の仇敵が待っている。



快晴 日帰り 単独行 歩行距離=10.1km 歩行時間=3時間15

JR御殿場駅857⇒(小田急箱根高速バス)⇒911乙女峠
乙女峠バス停9:15→9:45乙女峠9:50→10:25丸岳10:30→10:55長尾峠11:00→11:50芦ノ湖展望公園11:55→12:15湖尻峠→12:30深良水門→12:50桃源台
桃源台1300⇒(箱根登山鉄道バス)⇒1340箱根湯本